鑓ケ岳中央ルンゼ滑降
2010/5/16
中央ルンゼ滑降はスピード通過が原則で条件がよくないと滑降シーンはあまり撮影できないところらしいから、千載一遇のチャンスにじゃんじゃんシャッターを押しまくった。怖くてピントが合わせられませんでしたというハッシー撮影の分も混在しているが、ピントは合っており滑り降りるほど難度が上がるルンゼ滑降の一部始終をご覧ください

12:58 気楽にいきましょうとドロップ。もう引き返せない。そして絶対転べない。雪が緩んでるからそう怖くはないが中央ルンゼというだけで緊張感はマックスに

ターンも楽々できるが岩があちこちに出ていて合間を通過しようとしたら軽く引っかかって危うく・・命拾いした。慎重に慎重に

第2のコース、樋口君。EVA父さんの指摘どおりまさに飛び込み台です

スタート

難なくターン

ズリズリと連続ターンで落ちていきます

ハッシーも無事入り込む

ひたすら急だがまあ広くてザラメもちょうどよい。慎重に高度を落としていくハッシー「登りよりもきついです」

スキー場なら楽しい急斜面。先に岩があることを考えなければぐいぐい行ける

そして何という光景

こんな場所のこんな景色、なかなか見られるものではない

かっ飛ばすわけにはいかないが気持ちよく滑るワシ

この程度の斜度は経験あるが、見る限り底まで緩むことがないどころかさらに急になっていくようで高度感がすごい

だんだんと核心部が近づく

まるで罰ゲームのようにさらに斜度がアップされる

今日はかなりの人数が滑っているらしい。先行者のシュプールが新雪についてる

新雪でも不思議とたいしてスラフは流れないが、昼過ぎで怖いし重くて疲れる。ザラメをいこう

頂上から一直線に雪崩の溝が続いており、それに導かれるように

最難関、最大斜度の核心部ノドへと吸い込まれる。2500m付近

むーん、ホントにここを滑るのかよと気が滅入っちゃいそうなおそろしげな雰囲気

近づいて偵察だ
                 
13:15中央を縦溝が入ってるため滑降幅が3mもない。ここが最大の50度超え斜面で初対面で一気に滑る自信はなく、雪崩や落石が集まる場所だがまだ避けられそうな幅はあり慎重に横滑りでひとりずつ通過。樋口君ブーツ(ガルモント)も本領発揮のアドレナリン大放出

13:21通過しノドを下から見上げる

そこさえ抜ければターン可能に

一安心するもこれ以後はデブリランド。急斜面攻撃もそろそろ許してほしいがまだ半分過ぎの2450m13:25

デブリは柔らかだからまだ滑れるがとても脚にくる

2260m 溝が何本もできており落石も転々と。少なそうだが意外と引っかかる

13:35そしてようやくとルンゼを抜けた。2100mを鑓温泉方面にトラバースしていこう

鑓温泉だ。これでたぶん生還だ。なんという精神的プレッシャーだったことか

あまり多人数でくるとこではないな。お気楽スキーで湯ノ入沢まで下っていく

むーんあんなとこを滑ったか。緊張もとけず、感慨や感動もなくただ信じられない気持ち

ノドと障壁だった縦溝がよく見える位置に

小日向コルへ200m登り返し。きついね。14:23湯ノ入沢〜15:00コル着

振り返ると杓子沢。滑りだったらこっちの方が気持ちよかっただろうなあ。また来年だね。さらば

コルからのラストラン。今日はものすごい数のシュプールがついておりスキー場化していた
15:35駐車場着。EVA父さんにまたバッタリ。ワシらの隣に駐車は中央ルンゼを行って来たミンゴ先生。ワシらが同郷であること、そして女性であるハッシーが中央ルンゼを滑ったことを驚き喜んでくれた。女性とはいえ準指ですけどね。でもすべては先週EVA父さんが滑ってくれたおかげ。本当に今日は要所要所で指南をうけ後押ししていただいたような気がして安心して滑れた。ありがとうございます。温和で快活な人柄と、妥協なくしっかりと登って滑って遊びまくる情熱に完璧に魅了されてしまいました。
 運良く北アルプスの秀峰に立ち滑って来られた達成感以上に、山での人との出会いによって最高に心が充たされた山行だった
登頂編
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