武蔵谷、雷鳥沢
2010/6/20(ワシ、ハッシー)
梅雨。ところがこの日曜日の梅雨前線の位置は2008年6月21日の室堂スキーでの奇跡の晴天と同じ感じになりそう。きっと立山は晴れるぞ、とは期待してみるものの実際朝の新潟はどんよりだし、そもそも立山でどうしても滑りたいというラインが浮かんでこないから今ひとつテンションがあがらない。だが今年の劔山行の偵察もしたいからともかく行ってみるしかない。ガラ空きの7時始発立山ケーブルに乗り込む(室堂往復4190円+スキー運賃600円) | |
8:20室堂ターミナル発 8:42雷鳥平〜8:50発 9:50別山乗越〜10:15発 10:31剣山荘〜10:43発 11:07一服剣〜11:33滑降開始 11:40武蔵谷出合〜11:56発 12:32剣沢小屋〜12:51発 13:38別山乗越 14:11雷鳥平 15:03みくりが池 15:40室堂ターミナル |
|
室堂に近づくにつれほぼ快晴でないかい。やっぱテンションアップ |
なんとまあほんまかいなというくらいよく晴れてくれてる。扇沢側からが不通のためか人がものすごく少ない。ターミナルを8:20発 |
室堂山荘裏から滑り降りて |
雷鳥平もほぼ完全に雪に埋まっている。幕営もまったくなし |
立山、大汝、富士ノ折立。どこから滑り下りれるか雪渓をよく観察してみるがどうも山崎カール以外快適に滑れそうなところはないようだ |
8:50 2250m雷鳥沢登り開始。ワシはシールクトー、ハッシーはスキーを担ぐ。他に誰もおらず気温もちょうどよく軽快に登っていく |
最後雪が消えてからの岩道をスキー靴でいくのが超難儀だったが、ジャスト1時間で登り切った。別山乗越2750m着。自分のペースで直登してこれたので今までの最速ペース |
すでに懐かしい気がする旭岳と白馬。旭の雪がまだたくさん |
10:03ほどなくハッシー着。実はワシらだけでなく5,6名のグループが雷鳥沢のかなり上部にいることを確認して登りはじめたのだが、登ってるようなのになぜか一向に進んでおらずワシもハッシーも登りはじめに見えてた位置で追い越して来た。スキーを履いてる人たちにあったのは今日は結局このグループだけだったが、それから時間がたっても全然登ってこない。ホントに何をしてるのか?よもや亡霊だったか? |
10:15まあ人のことはいい。稜線上は風も強く寒いし、こちらも今日はがんばらないと余裕がないのでさっさと剣沢を滑っておりる。まっさらで滑りやすい |
梅雨真っ最中のこの時期にこのシチュエーション。ありかよって |
いい急斜面でザラメ上等 |
トラバース気味に剣山荘へ |
徐々に迫力の剱にせまる。前剣が高くなってくる |
剣山荘2470m。約300mの滑降だった |
目指すは一服剣。小屋裏からいきなりかなりの急登 |
ワシはまたしてもシールクトーで登り切るのだった |
登るほどホント急です |
あとわずか。雪が切れると鎖場に |
剣山荘から24分、11:07一服剣2618m着。眼前に前剣が迫る |
今日のメインステージは前剣とのコルからおちる武蔵谷(たけぞうたん)、そこにある斜面だ |
エントリ部からは超急斜面でまったく先がわからない。初めての斜面でさすがにこの時期は滑りようがない |
正面に鹿島槍 |
いったん前剣側のやや緩斜面に移動して滑ることに。ここもちょうどよいザラメで斜面もきれい |
普通に楽しい急斜面だ |
出だしに覗いた超急斜面。まあ滑らなくてよかったな |
剣沢出合いまで一定の斜度でそこそこの急斜面が続く |
落石もなくデブリは埋まっておりスキーは走りぐんぐんと下る |
剣沢出合い近くなりさらに急に。先が見えなくなるからスローダウン |
かつ狭く |
亀裂も多い。ずらしを多用し木の葉落とし的小回りターンで先を見ながら慎重にかわしていく |
ここだけやや緊張だったがほどなく広い剣沢に |
武蔵谷出合 |
剣沢へおりる |
滑降時間はわずか7分、標高差350m |
ほんのちょっと先に平蔵谷出合 |
11:56約2200mから別山乗越へ標高差550m、地獄の登り返し出発 |
途中でみる一服剣からはまだまだ快適な斜面が広がっている。それにしても今日は小屋もすべて休業だしこの剱岳界隈にはワシら二人しかいないようだ。1億人分の2だ(そうかな)。なんとも不思議というかこんな贅沢ない |
2500m剣沢小屋で昼食をとってゆっくり休む12:32〜51 |
剱はいつ来て見ても圧倒的存在感 |
ワシらのシュプールしかついてない。だらだら登りだったがやっと別山乗越13:38着。けっこう疲れたし徐々にガスも降りてきた。雷鳴もするし今日はもう雷鳥沢滑って終わりだな |
雷鳥沢滑降。こちらも抜群のザラメとフラット斜面で今まで経験したことない滑りやすさ |
亡霊パーティがたむろしてた夏道尾根で雷鳥沢から左方に折れ |
いままで滑ったことのない大斜面、いわゆるスキーヤーズレフトにでる。ここが素晴らしい |
雨も当たってきたがホント楽しい限りの大滑降 |
スキー場をまるっきり貸し切り状態。今日一番、いや今季ザラメ時期一番の滑降だった |
十分に楽しんだ後はまた地獄の室堂ターミナルまでの登り返し。またすこし晴れてきたようだ |
最後に奥大日、大日岳もみえてきた。地獄もすっかり雪が消えてる。16時のバスに間に合う |
武蔵谷を滑って帰ってきただけのことなのに考えてたよりもかなり疲れた。日帰りだとけっこうぎりぎり。ここの夏登山道は大きめの岩が多くスキー靴に向かない。別山乗越へスキー登りが終わってからの夏道最終段階が最高につらかった。また一服剣の上部もホント歩きにくく疲れた。帰りには別山から雄山まで縦走して滑ろうと思ったが、運動靴でも持って行かない限りこの時期はとても歩きとおせないだろう。まあ天気もそこまでもたなかったが。それにしてもやはり6月の立山のすばらしさ。雪面のきれいさと何よりも静けさ。これ以上の春スキー場はないだろう。金と時間はかかるけど。なんで誰も行かないんだろ | |