乙妻山2318m北東斜面
2010/2/21
大快晴の一日。おそらく今シーズン最高のスキー日和。山スキーのために与えられた別天地。はじめてのエリアだがこのチャンスにパウダー大斜面に挑むのだ。テントを撤収して暗くならないうちに帰るためにも11時までに登頂を狙う

快晴無風。6:32佐渡山鞍部テント場発。朝焼けの高妻山

沢に向かって下降。本当は佐渡山をトラバースで徒渉地点まで滑って下った方がいいのだが、自信なく前日のトレースをたどる。これがまずかった

氷沢川沿いに降り立つ。まもなくトレースは消え傾斜もなくなりシールでのラッセル歩きになる

だがそれが単調な沢沿い歩きというわけにはいかず何度か右岸左岸へと渡りルートファインディングが必要。想定していたより時間をくい気疲れと体力も消耗する。こういうことがあるから初めてのエリアは大変

7:40ようやく氷沢川徒渉点に。いよいよ1000mの一気登り、乙妻山北東斜面入口は案外樹林が多い。ゆったりした登りから始まる

8:30 1575m登るにつれ徐々にすごい大斜面があらわになってくる

徒渉点近くで雪洞に泊まってた3人パーティに追いつかれラッセル交代。一人はスキーを担いでのスノーシュー登高。恐ろしく馬力あるチームでとても再び追い越す気になれない

8:47 1660mまだ緩めの登り

せっかくつけてもらったラッセルだがスノーシューの後はシールがきかず閉口

9:33 1820m

傾斜はどんどんと急に。つらいシール登高が続きクトーをしていても後滑りする

9:55 やっと1900m。急登のあとに緩斜面だがバテバテで登りの速度が明らかに落ちてる

妙高が常にバックに

10:16 1980m左手には黒姫山の稜線

ハッシー撮影

10:28一番の急登を苦労して登る。新雪パウダーは切り返しも大変。筋肉を使って疲れるところ。足をあまり挙げないような登り方ができればいいんだが

10:36ようやく急登を登り切り2035mのちょっとした台地。稜線へあとひと登りだが

帰りのことを考えると時間的にはともかく自分自身もメンバーも体力的には無理だ。気力が萎えてどうにも足が挙がらない。せめてもう50mほど、あの樹の上まで登って新雪食ってこよう

当初の予定どおり11時まで登れるところへ。下からみると緩斜面そうだが登るとなるとかなり急。完全新雪ラッセルに苦しむがこのくらいは登頂失敗の試練の罰ゲームと思って耐えよう。真っ白な焼山が素晴らしい

そして本日の最高地点2100mより滑降だ

先に登っていったパーティには後ろめたいが本日のファーストトラックいただき。悪いがやはり超楽しい。久々にちゃんとパウダーを滑った感じ。この天気で昼なのにこの雪質というのがとても不思議な感覚

本日ファーストラン(ハッシー撮影)

3人そろったので2035m台地から頂上直下大斜面へ移動

ここがメインステージだ。11:20滑降開始

久々の浮遊感に酔いしれる

斜度と開放感が抜群にいい

滑っているときに野獣の叫びのような異音がすると思ったら、どうやら樹林帯の急登を誰か登っている。耳をすませるまでもなく、下田ぁ〜とか叫ぶその声はまぎれなく新井先生。なんとまあ!今朝自宅から来たんだろうがそのスピードに超ビックリ。姿はよく見えないが、お先に、気をつけてと会話して別れる

まだまだ完全パウダーはつづく

手前尾根上に怪人が

突如オープンバーンに表面の硬いバーンが紛れていたりしてすっころぶことも。樹があるとこや窪地が完パウだ

1700m地点よりゲレンデを振り返る。中程の林の中から滑降開始

あっという間の極楽メインステージは終了し緩斜面のツリーランに移行。さすがにやや重めのパウダーで大腿四頭筋パンパン

11:45徒渉点に。滑りは一瞬だなあ。ここまで降りると暖かくすっかり春山気分

12:00シールで出発。沢沿い歩きで佐渡山の鞍部まで登り返しだ。右岸か左岸かと迷ったがラッセルよりは朝来たトレースを帰るのがいいようだ

200mの緩い登りだけだが滑った後にはつらい1時間半。13:30テント場に到着

14:30テントを回収し重装備での尾根滑走へ。昨日と全く違う腐ってモナカっぽく荒れ放題の雪がまたつらい。今日はかなりの人が滑ったようだが午後では今一だったろうな。昨日こそがベストだったのにと教えてあげたい

最後は林道高速道路で一気に大橋の駐車場に15:05着。これがここの一番のチャームポイントではないだろうか
クラシックルートだがウワサどおり最高のパウダーゾーン。こんなビッグデイに入山者もびっくりするほど少なくとにかく静か(かわりに新井先生の声がよく響く)。北東面なのでこの天気でも不思議なくらいの激パウダー。絶対にまた行ってみたいところ。今回は無念のリタイアで立ち直るのに時間がかかりそうだが(2日くらい?)、ルートはよくわかったから次は絶対にリベンジだ。重荷は嫌だから日帰りで。まあ厳冬期テント泊、初ルート、冬山経験ほとんどなしの女子2人連れならば無事帰還でなによりというもの。ただ今季最も疲れました
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