柄沢山1900.3m
2010/4/4(ワシ、ハッシー、新井)
以前から教えてもらっていた柄沢山へ。いまや春スキーメッカの巻機山と人気を二分するとも言われる山。昨年秋に威守松山に登ったときに滑るによさそうな斜面だと思ってみていた。しかも前日雨が降り今日は久々に高気圧のど真ん中にはいった新潟。期待しよう

6:44清水集落除雪終点620m発。しばらく林道に沿っていくのが一番楽。めざすは遠く白き峰。先行者はスノーシュー2名

7:35林道終点にある堰堤。これを越えるのが結構難だったりする

沢は広くて明るい。遠い目標の稜線に朝日がさす

7:57デブリの向こうに素晴らしい大斜面が。今日はあそこを滑るのだ

ものすごいデブリだ。何てことのない樹林の合間からはみ出てる

ともかく沢を詰めに詰めていこう。どこから尾根にとりついても登れるのだがそれが一番よさそう

薄くパウダー。シールは効かない(ハッシー撮影)

1200m地点。ここからは急登。まだ8時過ぎだからここまで1時間半できてしまった。このメンバーだからなあ。早すぎ。おかげでまだ雪が硬すぎて急登も大変だし滑りにもならん。ここでのんびり30分も休憩。ツボ足の二人組に追いつかれる。てゆうか出発は彼らが先だったんだけど

再出発。充分休んだから稜線まで600mの直登を一気だ。ただしかなり風が強くなってきた。8:42発

しかし急登に加えアイスバーンに薄く軽い新雪という悪条件。クトーでも苦闘。階段登高がほとんど

沢から尾根にあがるが状況は変わらず

スキーは無理と判断。さっさとアイゼンに切り替える。スキー履いてないと足が上がって楽だなあ、なんて思うのもつかの間

ひたすら硬い底の急登が延々

左手には滑るつもりのバーンが気持ちよく広がってるが

厳しいアイスバーン急登はつま先しか踏み込めずストックもまともに刺さらず、時々強風にあおられもう大変

ここはワシ得意のダブルピッケルストックを駆使して4つ足登高。急斜面では実に有効で動物のようにガシガシ登ってしまう。ハッシーはピッケルストックが1本しかないので実質3足歩行。さすがの新井先生もピッケル準備。9:33

登るほどに厳しくなる風。けど4つ足登高は実に安定。全く吹き飛ばされる心配なく快適なのだが、いつまでもやってると腰が痛くなるし獣に退化しそう

山頂稜線も風が強そう

しかしまあ今日の予報ならそのうち風も弱まるでしょ。落っこちないように頑張っていくのだ

9:45稜線に近づくにつれ確実に斜度は緩くなる。強風にあおられるたびに4つ足になるワシ

新井先生はピッケルとストックでヒトらしく2足歩行。でもよくつま先だけで続けられるものだ。ホントに人類か

10:04アイゼン歩行は普通とはかなり勝手が違う。それに慣れていない上にスキー靴だと足首が曲がりきらず急斜面ほどきつい

しかし急斜面もそろそろ終わり。振り返れば谷川連峰の展望もすごいぞ

山頂に連なる稜線がみえてきた

そしていよいよ直登1時間半の試練も終わり

10:18国境稜線着。風も弱まってきた。広い稜線だがここまで登りきってはじめて現れる群馬側の景観に圧倒。だがまだ標高1800m、それほどないので周囲の山が高くみえる

もっと高みへ。しばらく休んでからスキーをデポして山頂へ向かう。頂上まで30分程度だ。稜線の真ん中には溝が走る

これは雪庇の亀裂。頂上まで続いている。尾根がどこまであるのか全くわからないので近づかない方がいい。バックは巻機山

群馬や尾瀬方面の山々をのぞむ(ハッシー撮影)

アイゼンも爪先しか刺さらない

しかし快晴の中の大展望で風もなくなり、ホント気持ちよい雪山登山だ

柄沢山頂上着11:10 巻機山からの国境稜線から群馬側になめらかに落ちる斜面が素晴らしく良く、滑走ラインを思い浮かべながらいつまでも見飽きることがない。奥に八海山と中ノ岳。山は真冬だ

記念に一枚

南西方向に際立つのは谷川、一ノ倉岳の荘厳な岩場。右奥に万太郎山、手前には清水峠から謙信尾根の全貌

存在感ある朝日岳への縦走路(ハッシー撮影)

360度の大展望を存分に楽しんだら11:30山頂をあとに。アイゼンでは下山をより慎重に。だがだいぶ雪も緩んできた

デポまでもどり飯など食って休む。すっかり暖かくなり雪もだいぶ緩んだことだろう。滑降準備して

12:15下山開始。かなりの急斜面だがシャーベットに湿新雪。まあまあじゃないの

ハッシー撮影

ガンガンといくぜ

心地好いザラメとはいかない。中途半端な新潟らしい春の雪。この雪で転ばないで滑るのは実に大変だが転んだら最後、どこまで落ちるかわからない

スピードも出たりひっかかったり

それでもガンガン行く

結構疲れる雪だが、超急斜面では休むことは許されないぞ。表層雪崩の心配はなさそうだが

まだまだ続く急斜面

かなり重い雪になってきた。上から先発パーティのボード滑降がはじまったようだ。ゴリゴリとアイスを削る音が響く

大斜面も終盤。全然滑らない大湿雪。しかし後続に見えてた5,6名のパーティはこんなあたりでもう引き返し滑ってしまったらしく突如シュプールが出現し荒れ放題の斜面。まだまだ快晴なのに意味不明の行為ではある

12:30 15分で核心部を滑りおえ1200m地点へと下り立つ

あとは谷の中を自由滑走。もっと硬いと楽しめそう

あっという間に堰堤へ

難所の堰堤登り

それを過ぎれば一気に林道滑走で清水へ。13時前に到着。まだ昼休み時間だ

奥の柄沢山の燦めきがすばらしい。手前は威守松山。かなりの充実感があった山行だったが時間的には何故か異常に短かった
雪山登山としては最高の日和だった。アイゼン登高も急で高度感あってなかなかいいトレーニング。滑りとしての雪質は難点だったがこの時期だからいたしかたない。谷は広く明るくブロック雪崩の心配も少なく滑降コースとしては巻機より全然楽ちんでよい。車までほとんど一気に滑って下れるのがすばらしい。下山が楽すぎて物足りない気分にすらなる

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