宝蔵山897m〜白山1012m 往復
2010/2/28(ワシ、ハッシー)
もうパウダーはどこにもないだろうしせっかくの下越地方大雪の年、近場でいい山スキーができないか。加茂市の宝蔵山は昔スキー大会もあったくらいで結構有名らしい。宝蔵山というのは白山と稜線つながりの山である。実はこれまで何度も冬の白山に登っていたのに知らなかった。標高も低く地味だし夏はヒルとかでるから登りたくないがスキーができると知って俄然注目。また自分にとって馴染み深い白山。そこは滑れないのか?山スキー記録がまったくヒットしないし普通に慈光寺側からはたぶん無理そうだが、写真で見る限り宝蔵山側の稜線は広々しているではないか。白山頂上からぜひ滑りたい。この思いだけで本日は宝蔵山だけでなくどうしても白山まで行ってこようと決めたのだった。ヤブの低山と細い稜線歩きで滑り要素はあまりないかもだが、標高の割に距離は長く厳冬期2月をしめくくる試練として最後まで諦めずにがんばろう

2010/2/25撮影 疎林の穏やかな稜線を抱く宝蔵山にそそられる

宝蔵山登山口は上高柳と中大谷とあり。林道をゆるり登れる上高柳からとする。7:25集落最後の家の前、除雪終点出発。かなり雪が降ってるが午後は回復するはずだからかまわず行こう

7:40登山道への林道入り口

林道歩きがかなり長い。でも今日の行動は長めだからあせらずに無駄な筋力を使わず忠実に林道をたどる

8:38 結局1時間以上林道を歩いて鉄塔の建つ登山道へ合流

ここからはなだらかで疎林帯の登り。鳥海山の宮様コースのような登りやすさ

天気は徐々に回復している感じ。雪はやんできた。9:00尼池山

9:15急登で雪も切れかかったヤセ尾根、625mピークへは第一の難関。小豆坂というらしい

迷わずスキーを担ぐ。今回は場面に合わせて登高法を機敏に切り替える訓練もあるのだ。帰りの不安もでるがスキーだとかなりのところでも滑れるから心配無用

スキーを担ぐのはきついな

スキーをはいて高度感あるヤセ尾根をしばらく行く

ガスがあがってきたか。行く先がようやく見えてきたが宝蔵山の頂はまだ正面のガスの中


ハッシー撮影


10:24 3時間でいわゆる前宝蔵山。ここは夏道から外れたピークで雪の時期しか踏めない展望台。今日は展望ゼロ

そこをこえればあとは頂上斜面への急登

頂上がやっと見えてきた

クトーが必要な急登。アイスバーンに新雪がうっすら。これがシールにくっついて団子状態に閉口。今週すでに2回も使ってそのまんまだったからなあ。まあラッセルもほとんどない登りだから滑らなくなってかえっていいか。でもこの時期ワックス、いやいかなる登山においても非常用にローソクは必携だ。大反省

おお、白山も見えてきた

避難小屋下の斜面を滑るのだ

頂上へいよいよ近づいた感がある

あとわずかだ。一部はけっこうなパウダーが積もっている

広いためにどこが山頂かわからないがGPSでは11:00に山頂を踏んでいた。初めてゆっくりと休憩をとる

11:20白山へ向かってまずは50mほど広い稜線を下る。登りに転じて890mピークを過ぎる。ここからが難所

11:50両側がすっぱり切れたナイフリッジ。本日一番の緊張場面だ。下り気味のところもスキーを滑らせずにゆっくりと

ハッシー撮影

こっちから見ると雪庇の下もたいしたことないし新雪がけっこうあるからツルッツルじゃないので安心は安心なのだが、実際に通過する時には慣れてないと相当怖い

この雪質ならアイゼンに履き替えるまでもなくさっとこえてしまおう。あとは気持ちよい白山までの稜線登り。遠い頂上はガスがかかったきり。ヤセ尾根のところでガスで下が見えなかった方がよかったのに余計なところで晴れやがる

12:08 984m団子シールだが今日はまったく疲れなくぐいぐいとスキーはすすむ

なだらかな稜線歩きの最後にわずか60mくらいだが頂上への急登

おお、ついに小屋がみえてきた

12:23白山頂上着。宝蔵山から1時間ちょっと。こんな天気の中よくがんばった。今日の白山は小屋からでてきた登山者ひとりだけらしい

12:36頂上より快適オープンバーンを滑降開始。こんな視界でどうなのかと思っていたがトレースが見えるし表面パウダーのおかげでちょうどいい加減にスピードコントロール可能。ほとんど普通感覚で滑降を楽しむ

ヤセ尾根のところまで一気に稜線を滑って降りる。今日一番長く滑れた場所。あっという間の移動。スキーの機動力が気持ちいい

稜線下はパウダーなら最高によさそうな斜面が広がる

帰りはどこがそうだったかと思うくらい簡単にナイフリッジ通過。もう慣れたでしょ。けどその油断が危ないんだよね。13:12に890mピークを通過すれば縦走も終焉

宝蔵山へ登り返し。緩斜面だが団子シールがさすがにきつくなってきた

13:26宝蔵山着。他者の足跡なくどうやら今日は山を独占。山頂は全くのホワイトアウトに。でも超緩斜面なのでたいして不安なくプチパウダーも味わえて楽しい。GPSがあるとホント心強いねえ

それからがくんと急下降ツリーラン

前宝蔵山は巻いて夏道どおりに通過。そして稜線滑降

そしてツリーランで回転

稜線にでて斜滑降の繰り返し。徐々に高度を下げる

ハッシー撮影

難所50センチ幅の平均台。滑る以外にないので一気に滑って通過。引っかかってこけたら命はないだろう

そして小豆坂もスキーをはいたまま強引に降りる。ガタガタの硬い斜面で横滑りも大変だったが、ともかくこれですべて難所をクリアしたど

尼池山からは林間コース緩斜面。ただし重湿雪はパワーがないと回転不能に。ここはしかし仮に新雪でも滑りそうにない緩さだ

そして鉄塔到着。これでもう大丈夫だ。しかし結局今日は午後も雨か。川内の展望がなかったことだけが心残り

林道ジェットコースター

ただここのコースターは相当のもの。長さもあるし最後の最後で加速がすさまじい。重いモナカでスピードコントロール困難。登り1時間をわずか5分でゴール。ハッシーには林道も難所だった「もう足の筋肉がもちませんでした」
14:40車着。白山から2時間で下山だからスキーはすごい。急登が比較的少なく筋トレにはならなかったが、いろんな場面をどうスキーでやりすごすかいい経験になった。雪もしっかり降りホワイトアウトに近くスキーというよりも冬山行だった。ちょうど加茂スキークラブだかの団体が酒飲み登山(尼池まで)でバスで帰るとこで声をかけられ、白山まで行って来たと言ったらものすごく驚いてしまって、次々出てきた人から何度もどこまで行ってきたんかねと聞かれた。しまいにメートルの上がったおっさんから握手まで求められる始末。白山までって行かないのかね、普通は。また話によると先週は60人も入山してたそうだ。いくら雪と天気がよかったとしてもこんなマイナーピークにすごすぎ。でもたしかに川内山塊などの展望も含めるとここは市街地からほど近いのにすばらしい雪山なのだろう。今日も展望がよければ本当に最高だったが、それでも今までにない充実感に満足。来年も行きたいがスキーできるほど雪が降るだろうか?少なくとも林道には雪があってほしいものだ。
inserted by FC2 system