1/10雪 | |
去年同時期にはドカ雪と雪崩に流されたため断念せざるをえなかった八海山頂からのスキー。今年も大晦日から降雪続きの魚沼地方。積雪量は昨年以上。しかし連休中はちょうど冬型が緩み擬似晴天ものぞめる絶好の予報。今年は何が何でも絶対に登頂して頂上から滑るからね、とみちぐさ山の会にハッシーと一緒に同行させてもらう。山スキーはワシとハッシーのみ。みちぐさの3名はかんじきなので必然的にワシが先頭ラッセルとなる | |
大行列の朝一ロープウエイは乗り過ごし第2便に乗って出発。終点1173mからゲレンデを出ていきなりの登りが吹きだまりで猛ラッセル。シュガーダディでやっと先端が出て登れたけど、休むと底冷えする吹雪にもかかわらず汗だく |
広くて登り下りある稜線は知らないと迷いやすい。去年の経験が生きてるがそれでもやはりわからない。要所要所でみちぐさの人に方向を確かめながらすすむ。単調な尾根道にみえるがガスと眼鏡の曇りとで時にとんでもない段差に落っこちるから慎重に、でも快調に飛ばす |
ゲレンデ上部の急登に喘ぐ(ハッシー撮影) |
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ぼーっと女人堂がみえてきた。いよいよ最後ののぼりだ。ここまで2時間弱かかったが昨年は3時間強。雪が幾分はしまっていたようで絶好調のラッセルだった |
ここでワシとハッシーもかんじきに履き替える。今年導入のスーパーカンジキだ。これがないと新雪時期八海山というか女人堂まで絶対に登れない |
標高差100mに満たない女人堂までの登り。しかしこの急傾斜の胸ラッセルだ。去年よりは底がまだできてマシだがつらいのはつらい。ステップもすぐに崩れて全然高度がかせげない。指先がかじかんでまったく効かなくなる。しかしストックを持ち替えて手で雪を払って行くしか登る方法はない。先も見えず風も強くなってきて経験者と同行していなければ気持ちが折れるところだ |
これは山スキーというより完全冬山。だんだんと雪との格闘がなんとも楽しくなってくる。これほど身をもって雪を克服しなければならないという経験もそう滅多にないからだろうか。協力し合って順番を交代しつつ徐々に高度をかせいでようやく稜線に立つことができた喜びはいい知れない。 |
最後の100m登りのラッセルだけで2時間近くかかり12:33女人堂1370mに到着 |
他のパーティなく、それから夜の9時過ぎまで飲み食いまくりの大宴会。正月ご馳走が並びました。よく全部食べたものだ |
1/11曇りのち晴れ | |
夜中まで降雪あり、曇っていて放射冷却もなくパウダーのまま。昨日登ってきたルート |
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これから行くルート。7:30発 |
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例によってスキー登高が先頭。シュガーダディは足首ラッセルでまあまあ楽ちん。今日のルートは稜線どおしに視界も良く明確 |
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7:42 薬師岳へはそうは時間はかからないだろう。天狗原から乗鞍くらいとみた。もう一歩登ったところから昨年の雪崩地点へ |
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(小サイズ画像はハッシー撮影) |
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こちらは夏道ルートで去年登り中に雪崩に遭って断念させられた。身が締まる思い |
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今日はこちらの尾根から行く。斜度はどちらも似たようなものだが立木があって気分的に安心してぐいぐいと登れる。徐々に晴れ間もひろがりつつある |
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今日も雪がいいせいか順調にシール登高。どんなに急でも直登可能だ |
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夏道ルートの稜線からはスラフも落ちる。ここは浅い谷となっていて夏には川が流れ水場になっている |
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7:54 下りの爽快さを思い巡らし、ウサギ以外登高者のないまっさらな雪面をなるべく傷つけぬよう直登で登りつづける |
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いよいよ晴れてきたか。今日の登りは実質あのピークまでと、休みなくガンガンと進む |
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頂上の這い松も見えてくる頃、いよいよ直登もきつくなってきた 8:18 |
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しかし今日は完全山スキー世界。あとわずかだ |
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8:30 女人道から出発して1時間、ついに薬師岳1654m登頂。やったやった!!一年ぶりのリベンジ。しかも本日トップで道をつけてこれたことも感激。絶好のタイミングで頂上も晴れて見えてきた! |
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稜線はアイスバーンを想定していたが、スキーを脱いだら大腿まで埋まる底なしパウダー。感激のあまりグリベルのトレードマーク作ってみました |
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8:47かんじき隊と合流後、8:55千本檜小屋へとツボ足で向かう |
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小屋へはいったん垂直下降部分があり、着雪状況ではこの先難しいことも多いらしいが |
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今日は難なく行けそうだ |
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風もなく快晴になってきたのでほとんどもう子供の雪遊び状態。ステップなんか気にしないで尻セードだ |
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9:08千本檜小屋1645m。エビの尻尾、というよりはワニの鱗だ |
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千本檜小屋に初登頂だ |
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地蔵岳。その山容の神々しさには低頭せざるをえない。緑に囲まれてる時には気がつかなかったがまるで槍ヶ岳のよう |
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みちぐさ山の会の皆さんのおかげでここまで登らせていただきました。会に出会っていなかったら厳冬期の八海山稜線に自分の足で立てるなどとは想像できませんでした。しかもこの時期まれにみる素晴らしい天気と良質の雪にも恵まれホント大感謝です |
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屏風道方面。すぐそこまではけっこう滑れそうな・・ |
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圧巻の駒ヶ岳 |
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駒から中ノ岳 |
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そしていよいよの大滑降へ9:50 |
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薬師岳頂上からのドロップ。山頂直下こんなオープンなのにいきなりのパフパフバーン |
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これですから。ワシのシュプールとスプレイを上げるハッシー |
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雪に乗っかってぐんぐんと行きましょう |
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まるで夢のよう |
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正真正銘まっさらなファーストトラックだ |
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激パウ天国 |
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10:03 あっという間に核心部を滑り終える |
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女人堂へ戻り11:25荷造りし下山開始。ちょうど単独で山スキーヤーが登ってきたが、こんな絶好の日に他には滑る人はいないようだ。それならばワシらが登り返してもう一回滑りたいところだが、またの機会に。5本のシュプールが美しすぎる |
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女人堂直下は50度以上あろうかという急降下。頑張ってスキーのまま滑り降りました |
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名残惜しい |
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ロープウエイまでのだらだら道でもパウダーは続く。シールを着けたりはずしたりと繰り返す。たとえそれで時間を食おうが滑れるところを滑らないで山スキーに来ている意味はない。要はシール着脱をいかにすばやくできるのかを研究することだ |
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あまりに天気よく勿体ないとばかり休憩を入れながらも、いよいよ山ともお別れ |
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ゲレンデに出る直前の急斜面。ここでも完全パウダーで楽しめました。12:40ゲレンデ着。重荷での八海山チャンピオンコースのコブきつかったす |
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だめ押しに帰り際、八海山麓スキー場でゲレンデを一滑り。ピークからのシュプールがいつまでもはっきりと見えていた(心眼にて) |
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立山以来の本格的山スキー。でも八海山はそれよりも冬山要素が強い。圧倒的にラッセル力やルートファインディング力、防寒対策、猛吹雪に対する心構えというか経験が必要。去年よりも随分と余裕を持てて自分なりの登山が少しでもできたことが出来たことがうれしい。滑りについては言うまでもなく今年最高だった。っていうか今年最初ですけど | |