白馬岳2932m 大雪渓・旭岳東面
2010/6/6(ワシ、ハッシー)

1週間前の情報ではまだ大雪渓の状況はよさそうだ。その後も晴れは続いたが大雨もなくまだいいかも。超定番だろうが案外6月になったから一般には定番でないかもしれない。ともかく今年は一度登っておかないと。高気圧ど真ん中で丸一日晴れそうなのでめいっぱい遊べる。ならば旭岳へもチャレンジだ

すっかり雪が消えたガラ空きの猿倉駐車場。ワシらが今日のラストかも。7時発

金山沢にはまだ雪がたんまり。登っていくスキーヤーも

林道終点から雪上歩行。最初の沢で橋が壊れており危険な徒渉を強いられハッシー、靴を完全に濡らす

それでも1時間で白馬尻に。シールでいく。左方に小屋を造るための除雪作業できれいな雪が見られる

葱平までは悠々のシール登高だ。ほとんど落石もなく実にきれいな大雪渓。登る人の数もここが白馬の大雪渓とは信じがたい4,5人ほどしか見えない

8:50、2号雪渓出合1970m

9:20〜9:35もっとも落石の多い葱平。それでもまだこんな程度。左岸側に行けばまっさらで普通に滑走可能。ここからスキーを担いでアイゼン歩行

一番の急登だ。今日はアルミでなくちゃんとしたアイゼンを持ってきたので大変調子よく直登だ

でも一昨日夜のバカなトレーニングのせいですぐに疲れてきた

雪の直登はひたすらつらいのだ

10:16小雪渓付近

やっと急登をおえ2450m地点。目立つ岩があるところ。あまりにいい陽気に一休みしてアルプスを満喫10:16〜10:32

ゴールまでまだあと500mも登りか。遠いなあ。でもゆるやかになり気分は楽

杓子と鑓。鑓もこちらからだと全然とがってない

11:03いい加減くたびれたがやっと頂上宿舎に。猿倉から4時間ちょっとだから夏山並みペースではあったか

山頂稜線へわずか

11:17稜線着。ほぼ無風で暑いくらい。盛夏でもこの稜線でこんな気持ちよい休憩をとれるなんて滅多にない。今日は山頂滑降しないので荷物をすべてデポして往復だ

剣と立山が今日もすばらしい

そして今日は旭岳2867m東面中央ルンゼを狙おう。岩の合間は雪が途切れてない

白馬頂上へと向かうが途中からレリーフに寄り道

そこは2号雪渓が一望。来年のための偵察が今日の第一の目的

確かに最初だけは恐るべき急斜面。今日は縦溝が深そう。でも最初さえこらえれば全然気持ち良さそうな斜面が広がってる。中央ルンゼよりマシとは二人の見解。成功には雪質がすべてだね

11:58登頂。今日はホント人がいなかった。ワシらの時間もやや遅かったのもあるが。たった一人山頂にいたボーダーと写真を撮りあった

鑓ヶ岳方面

大雪渓と手前は2号雪渓

小蓮華方面。白馬沢も上部は快適そうだが

旭岳東面と対峙。向こうが低いせいか全然たいした斜面に見えないが

遠く槍ヶ岳

これだけ暖かい白馬山頂も初めてだ。存分に展望を楽しんだ後デポまで下る

12:23〜49昼休み。第2ステージの旭岳滑降をめざして出発

130mほど登らなくてはならない。たいしたことないと思ってたが近づくにつれかなり急登

ワシはシールでがんばるがぐしゃぐしゃ雪でつらい

鞍部からは30分で旭岳に登頂

旭岳からの白馬岳

東面中央ルンゼ

エントリは比較的穏やか

ところが斜面真上に立つとものすごく急。50度はないだろうけど石転ビ沢よりは急そう。下には露岩が待ち構えてるし。とにかくむふふの急斜面

ささっとドロップ13:46

滑降は一瞬でしかなかったけど割と楽しく滑れた

スラフが落ちきるのを待ってハッシーエントリ。しかしじっと立ち止まってるとあまりの急さにとどうにもならなくなるから、さっさとターンを切って一気に滑りきるのだ

上からはまったく見えないけど亀裂がけっこうあるから注意してね。しかしハッシーよくテレマークビンディングで滑れるなあ

ワシの滑ったあといつまでもスラフが途切れず下の岩の間に落ちていくし、そのまま下に降りると登り返しも大変だな

路線変更

右手にトラバースしオープンバーンへ

ハッシーも余裕を取り戻す

斜度は変わりないが岩の圧迫感から解放され大変気持ちよい滑降ができる

デブリ帯

遠目ではスコップで誰かが切り落とした程度しかみえなかったのに、近づくとひとつひとつの雪塊がおそろしくデカくて自然の脅威におののくばかり

こんなところはさっさとトラバースで通過

結局200m滑って登り返し

わずかな急登だが結構足にきていて、がんばりどころ

14:07旭岳へのコルより軌跡を眺める。さて次もう一本北面へ、という元気はない

今日のアドレナリン斜面

白馬の稜線まであと一歩

14:15着。とても疲れた。今日は登りもハードで2000m以上あったがこれでもう終わり。最後のメイン滑降を残すのみで登り返しがないのが気が楽。それにしても見渡す限り登山者ひとりいない

14:27白馬尻まで30分の大雪渓大滑降

また今日もプライベートゲレンデだ。大雪渓でなんという贅沢の極み

登りに苦労した急斜面が最高に心地好い

トラバースで落石帯を避ければまた快適斜面

2号雪渓は朝より汚い感じ

葱平下は雪も重く凹凸も目立ち足にくる

しかしそれでも普通に省エネ滑降可能。6月とは思えないコンディションのよさ

15:18最難関の徒渉もさらに水量が増えていた

小日向山にもさよなら。15:50猿倉着
北アルプス、しかも白馬岳とは思えない静けさ。5月中で多くの人が板納めしたのだろうか。しかし今年は異常に雪が多い。この辺でも栂池自然園から上には十分だし金山沢も滑降可能。鑓温泉の大出原もまったく普通に雪がついてる。もったいない限りだ。しかも6月になり暖かさが全然違う。今日はさらに白馬稜線でも驚くほど無風で暑いくらい。登るときは適度に涼しく何もかも最高の登山日和。ただ登り一辺倒のステップアップのつらさだけ。一昨日のアホな登山訓練で大腿四頭筋がまだ筋肉痛だったから登りはえらく大変だった。だが旭岳東面も一本だけでも十分楽しく滑れたし、それ以上に大雪渓が驚くほどきれいで快適だった。先週の石転ビ沢もそうだったが定番ゲレンデが今年はとてもいい感じだ。今日はたぶん今季最上に充実した春山スキーだった
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