八海山1778m・蛇喰沢〜神生池〜入道岳

2020/01/26(ワシ、ハッシー、ドクターQ)

正解というのはたいがい単純である。6:59広堀橋発。新雪なしのクラストバーン


先週よりも雪解け。連続して同じ山という珍しい行為はむろん寡雪による選択枝の制限もあるが、今ならではかもしれない登路の確認だ


山は相変わらず。沢底も出ている。しかし上は十分白い。とにかく1000mまで上がれれば、だ


7:35地肌も出はじめた冬ルート尾根の取り付きから水路を下る。阿寺山は雪山、との固定観念に捕らわれ失念していたが夏に誰でも登れる道がある


スキーヤーは下降路としか考えない蛇喰沢。雪崩れる程の雪もない今はこちらの夏道の方が単純に藪漕ぎより楽なはず。7:39ツボ足トレースと合流


少し河原の雪を進み7:46ブーツでは嫌らしいハシゴを降り


蛇喰沢を渡る。苦労なく対岸に渡れる


あとはそのまま右岸を詰めればいいのだが


すぐに崖のようなトラバース系急登。道が崩落しているのかもしれないが、雪が中途半端、板も引っかかり実に登りにくい7:53


わずかでしかないがこの急登難所は印象に残る。下りも難儀した。8:04竜神碑


8:17しばらく沢沿いのオープンバーンを登る


もともと積雪は深くなく硬めなうえに前日からのトレースと放射冷却でガッチリ。アイゼン歩行が圧倒的に楽で速い


8:40 夏道どおりなのだろう、850mで沢を離れ右岸稜線に取り付いている。藪混じりでかなり急登


8:42一段上がってまた藪急登


8:49しかし板を担いでいても、藪漕ぎは冬ルートとは比較にならないゆるさ。こっちの道ってこんなに楽だとは、と藪の中でも思わず笑いが出る


9:04藪を抜けると見事なブナ林930mに。藪が完全に埋まっているのはこちらの斜面が北向きだからだろう


かなりの急登だがアイゼンで快適に進む。ともかく藪に苦しみつつのルートファインディングなど頭を使う必要が一切なく天国


クラストしている雪は昼過ぎに下る時にはきっとほどけてパウダーだろう。ツリーランが楽しみ9:24


9:27八海山展望あり、ちょうど1100m。つまり冬ルートと同高度で展望台になっている。こちらの方が良い眺め。古雪沢もほぼ全貌あらわ


9:29その後斜度はかなり緩む。板でも十分登れるだろうが、硬い下地に薄い新雪ではシールが効かないだろう。埋まらないならアイゼンが正解


キツくても振り返るといつも展望あり。素晴らしいです、こっちルート大正解です9:54


9:57変則的な斜面でところどころ急登1280m しかし冬ルートのように激急登が長く続くことは上部にはもうない


こっちからは真冬でもたぶんokだな。もっと雪あっても木が多くて雪崩れることもないだろうし。登り切ると疎林帯となり山頂然としてくる10:02


10:08良いシーンになってきた。阿寺山ももうすぐだ1390m




無風、暑いほど。10:25までのんびり展望を楽しみつつ休んでシールをつける


素晴らしい。目指すはあの峰。今日は一日晴れる


少し登って阿寺山頂台地。やはり薄いパウダーがハードバーンに乗っかっているだけでシールが効きづらい。10:37阿寺山頂をトラバース1480m


三ノ池を突っ切っていく


10:48




10:55五竜岳への稜線へ難なく移動


すると眼前に広がる大展望


圧巻オカメノゾキ。これを晴天下で観られるだけで十分にラッキーで満足。うっとりするね


皆のんびりと写真撮影


この先もまだあるが、この地域の山が好きな人間にとってこの景色に見とれないではいられない


10:58よく滑る雪で一気に神生池に


ワシはシール、他の2人はトレースがあるからとアイゼンで再出発11:06


だがここからの稜線は、登りがメインといってもちょっとした下りが繰り返しあり、おそらくスキーの方が正解と思う


滑りも良い雪で一歩が大きい。雪庇も発達してないから、やたらくたびれる片斜面トラバースの連続もない


とくに今日は残雪期のような段差やクラックもなく直進できる。五竜岳に近づくにつれ次第にクラストしてきてクトーがよく効く


11:36スイスイと五竜岳手前1530mへ。アイゼン隊と差がついてしまったが、もはやこんな風通しよいガチガチバーンで休む理由はない。悪いが先へ


11:45なんといってもこの景色を見ないでいられようかというもの。五竜岳を過ぎての展望、オカメのナイフリッジ。圧巻。ゾックゾクするねえ


そして駒。いいねいいねの絶景絶景。雪が少なめで岩肌が見えているのが迫力アップに貢献してるのだろう


入道岳へはあとひと登り。先行者が上部の急登半ばで奮闘中。ここから眺めると壁ドン迫力満点でビビりがちだが、何度か登っているが意外と近い


この稜線は雪庇が不均等に大きくせり出したりクラックが隠れていることもある。さっさと通過したほうがよかろう。少し登る11:52


山頂直下の先行者と、待つワシ




11:58、1630mテラスで後続を待つ。風もなく暖かな春陽気。実に幸せ。12:12合流して再出発




おそらく朝はクラストしてた雪もちょうど良い具合に緩んでいる。このままクトーで登り上げられそう


登頂済みの先行者とスライド。実に足の速いお方だった


さて絶景のもとワシらもいよいよゴールにむかって最終コーナーだ。それにしても高度が上がるほどにオカメの迫力が増す


かなりの急登だが長くはない。登頂への緊張感でクトーをガシガシ、粛々と進む


右手に広がる中ノ岳から駒ヶ岳縦走路。そのあいだに大好きな荒沢岳がのぞく。三名山が見守っている


最後の核心、雪庇通過もルート工作済み




これまででもっとも楽勝で通過し




12:38入道岳1778m、八海山頂上に到着


稜線を何気なく進むとクラックが走り緊張。なので山頂からの山展望はこんな程度。遠く平ヶ岳から上越国境が一望


十分満足。滑降開始12:53


ドロップ


雪庇を破ってレッツゴー


楽しいです。でも急過ぎです。今シーズンまだ慣れてません


そうだった、これまでまともに無木立バーンを滑ったことなかったな。スケールの広さにおののきつつも滑りを楽しむワシら




意外とフラットがあまり続かないバーンで、ときどきすごく勾配が上がる


それにしてもこの広大さはヨーロッパのスキー場でしょうか


素直に稜線に戻る


五竜岳をトラバースで一気に


阿寺山への稜線


五竜岳直下は細くガリガリなため、雪庇をこえて左手東斜面をトラバースで一気に下降13:09


あんまり綺麗にシュプール描けなかったな。でも新雪滑れただけでいいわ


満足げな大人たち


ちょうどよいパウダーで非常によく滑る


シールをはってのんびり登りへ


13:40〜50神生池で休憩。オカメノゾキをいま一度ゆっくりと眺める。覗いて見えるのは駒だけどね。阿寺山にきて余力あれば是非ここまでは来たい


100mほどの登り返し


14:05阿寺山頂上稜線1500mへ


14:10幻想的な四ノ池、三ノ池へ降りる。ここも阿寺山に登ってもあまり訪れない場所で、すごく雰囲気良い




14:22阿寺山直下より滑降開始


これだけ晴れて暖かかったのにまっさらパウダーのまま。むしろちょうどよく氷解したのか


14:31トリッキーな登路の斜面に突入




疎林で雪も良いので


こんな変形バーンも自由自在。実に楽しいアトラクションだ


トリッキー緩斜面から、これぞの阿寺急斜面に





楽しいツリーラン。でもこんなとこよく登ってきたなあという感じの急さ


さすがに下部は雪が重く硬くなる。ずらし多用で高度を落とし


14:52ブナ林がおわった途端に藪ゾーンへ。ここからはちょっと試練、というかおなじみの滑降シーン。これまでの練習の成果がここで・・


蛇喰沢に降りたが、ここからがガッチガチの雪面とわずかな滑降ラインのため難儀。ちょっと行き詰まった15:00


もうこんな時間だからね。ガリガリとずらして


でもまた一部オープンになり快適


竜神碑過ぎたら滑降終了。担いで


這いつくばらないと通過不能の最大難所15:18 落ちたら沢にドボン



15:26用水路から登り返して


15:30鉱山跡冬ルート登山口。シュプールは見えないな。素晴らしい一日をどうもありがとう。アイスバーン超高速林道で車へ

ようやくまともな山スキーができた。かつてない異常な冬、固定観念を捨て新しいルートやフィールドを考えるべきなのだろう

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