八海山女人堂
2011/01/9-10(ワシ、ハッシー、みちぐさ山の会)

恒例のみちぐさ山の会の八海山行新年会に参加させてもらう。この連休は魚沼地方は毎年間違いなく最悪の荒天になるが、暖冬の今年も例外ではなかった。いやそれどころか参加しているこの三年間ではたぶん最悪だった。しかし試練の八海山はそのくらいでないとこの時期に行く意味はないのだ

ロープウエイ乗り場はなんと雨。ところがスキー場上部からいきなりのパウダーラッセルは膝下。むーん、元旦とは全然雪の量が違う。9:33遅めの出発

スキーは3名、快適に飛ばす。ワカン3名はトレースがなければ腰ラッセル。それでも結構順調にいけたのはやや雪が締まっていたのか
 
視界はほとんどなく稜線を進むと強風で体感温度は絶望的に冷えてくる。おそらくちょっと前ならば撤退かもだがルートは経験とGPSがあり間違うこともない。また今シーズン冬山も何度目かで慣れていたせいか吹雪くらいではなんとも思わない。11時に池ノ峰で風よけになる窪地で全員集合を待つ。身体がどんどん冷えるが、この状況でもしシールやワカンが使えなくなったらきっと絶望感しかないだろうがそういうこともなく先に進む
 
11:24再出発しいよいよ難関の女人堂への登りにさしかかる。いつもはここから100m足らずの登りを猛ラッセルで2時間ほどかかる。行き詰まってラッセルを交替してもらうが、今日は雪もしまっていてシールのまま登りあげることができそう 12:10
 
とはいえこの急登。ただではすまない。ブッシュに乗り上げるとどうにもならない

12:21一段落おえ、雪庇の亀裂が走る稜線に立つ。うっすら女人堂があらわれる。その直下はほとんど壁だがこれさえ登り切れば終わりだ
 
壁の登りに苦しむ地獄絵図。ワシはなんとかシールで登り切った。ガンガンと雪庇を頭の上に落としちゃったけど。ハッシーはワカンが外れたと気がついた瞬間にもう埋まってなくしてしまう。山道具でないのを流用するときは備え付けのものだけでなくきちんとした結びにすることだ
 
壁を這い上がってきた荒木さん、クリアー
 
女人堂へは稜線をわずか。12:48到着。全行程スキーが使えたおかげで今年は速かった
 
斜度は緩んでも最後までラッセルきついです
 
全員集合。スキーのお一人は日帰り。苦労してスキーで登りスキーを担いで下る

ようやくと新装になった女人堂へ。風にあたらなければやはり今日はすごく暖かい。だがそればかりではなく今年は本当に地獄から天国気分になれた素晴らしい小屋だったのだ 
 
1月10日 
 
天国をもたらしたのは八海大明神ならぬこの石油ストーブ。ありがたいことに石油がちょっと残っていてくれ寝るまで細々と点すことができた。それで十分に炊事はできるし濡れたのものはすべて乾いてしまった。断熱材のマットも備えてあり、下界では今年最低気温だった朝もいつもより薄着ですこぶる暖かく眠れた。これまで八海山の試練には幾度と耐えてきたから、褒美にちょっとお年玉かね
 
今日も悪天。まったく晴れはのぞめない。視界は昨日よりよく風も弱い
 
山頂方面。まったく見えず。登頂は断念し下山へ
 
今回はワシらとなんと千葉からも山ガール(??)参加。新潟の雪を存分に楽しんでもらえたことだろう
 
 
8:20出発。ワカンが使えないハッシー。新たに積もった新雪は50cmはあろうか。ツボ足では二歩以上は動けない。何が何でもスキーで降りる以外の選択肢はない
 
直下の壁は超難斜面。写真でみるほど広くなく、左半分は雪庇なので近づけない。斜度は60度ほど。いかに滑るかというと
 
まっすぐに落っこちるのが一番
 
その下からやっとスキーができるパウダー急斜面。だがターンでカットすると表層雪崩
 
 
雪崩には乗っからないように滑り降りる。本日唯一の快適滑降だった
 
それにしてもあっという間。緩斜面では重くて深くて全然前に進まない
 
なので以後はまたシールでラッセル。当然昨日のトレースなどなく、昨日以上の深いラッセル。下山なのにラッセル
 
だが今日は結構視界がよく風がないので雪山散策としては楽しい
 
9:30池ノ峰でワカン隊が来るまで登り返して滑ってみた。重い新雪だ
 
10:05みちぐさの方たちが迎えに今朝のロープウエイで登ってきた。大倉口登山道分岐で出会う
 
10:15一休み。熱いコーヒーをいただき一息つく
 
ワカン隊も合流。10:52発、ひと登りでシールをはずして
 
スキー場までちょっとだけパウダーを楽しむ。激パウダーなのだがやっぱ重い。11:21ロープウエイ上部
 
重荷のままチャンピオンコースを滑る。スキー場レベルで見れば雪質は最高。11:44駐車場着、お疲れ様でした

今回の滑降時間はスキー場部分を除けばたぶん10分もないだろう。行きも帰りもラッセル。厳冬期八海山はたぶんそんなところだ
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