荒沢岳〜中ノ岳 日帰り縦走
2010/10/17(ワシ、ハッシー、新井)

荒沢岳より縦走
昭和36年に一度は切り開かれその後廃道になり、2008年に再び伐採整備された荒沢岳から兎岳への縦走路。30年前の学生時代に荒沢岳から入ったが、すでにヤブがひどく途中で一泊して丹後山へ抜けたことがある。最近まで情報を得ていなかったが、2010年版登山マップにはじめてルートが掲載された。通常は1泊以上だが例によって日帰り軽装で一気駆けする。なお荒沢岳、中ノ岳、駒ヶ岳と結んで裏越後三山とも言われ、銀山平を起点に周回登山が可能である。これを日帰りすることは越後三山のそれよりやや楽だとされるが、今年行ったばかりの駒から枝折峠への地獄道を行く気は到底しない。だから中ノ岳から降りることにしたが・・・

標準コースタイム(昭文社 山と高原地図2010年版より)
銀山平−0:50→前山−1:40→前ー下−1:00→前ー−2:00→荒沢岳
計5時間30分

十字峡に車を一台デポし6:20銀山平発。稜線上は曇っている。ここ数週続けて新潟の休日の朝はこんなやる気をそぐ天気

最初は770mから1090m前山までひと登り30分。新井先生とワシは昨日の日本酒がよくきいて十分に汗をかく。シャツ一枚で平気だ。ガスは上越国境方面にのみかかっておりけっこう遠くまで展望はあるが駒ヶ岳頂上は見えず

しばらく稜線の水平移動。ようやく前ーにとりつく

7:37前ー下。ストックを収納して鎖場にそなえる

7:45肩の部分に飛び出ると核心部が迫る

基部へと濡れた岩を慎重にトラバース。核心部鎖場はホールドがしっかりしており浮き石もないので難なく登れる

ただけっこうと直登が長い

8:11前ー頂上1535m。荒沢頂上稜線は相変わらずガス

8:56前ーからやや歩きにくい道をガマンして一気登りで稜線に出た。風もあり寒い

9:06銀山平から2時間46分にて荒沢岳着。ガスで展望なし。寒気のせいだろうか、この天気。でもこのメンバーならしばらくすれば晴れてくれるかな

雨があたるわけでなし、予定通り兎岳への縦走へ

標準コースタイム
荒沢岳-1:00→灰吹山-1:50→灰ノ又山-0:40→源蔵山−0:20→水場
小計3時間50分
銀山平から9時間20分

9:21荒沢岳発。1700mまで高度をおとす

とてもよく刈り払われた道。まだ荒々しく刈った笹が滑ったりするが、広くてこの辺の山では最上級A5ランクのとても歩きやすい道。9:52あっというまに灰吹山1799m

荒沢岳のガスも晴れてきた

次のピーク灰ノ又山

灰ノ又山へなだらかな縦走路が伸びる

池塘もところどころあり雰囲気のあるところだ

だいぶ来たな。灰ノ又山最後の登りは刈り払いもきれいな笹原ロード

10:40灰ノ又山1852m

源蔵山、奧に兎岳とともにいきなり中ノ岳出現

他とは格違いの存在感

平ガ岳も以後どんどんと近づいてきてよく見える

灰ノ又から源蔵山への道は最高に気分良い

荒沢が顔を出す。随分遠くなった

11:10源蔵山はピークを通らないため道の中途に道標が立つ。ここでナゾの青年に会う。100リットルもあるザックを背負い浦佐駅から歩いて十二平から駒に登り中ノ岳から来たと言う。今日は銀山に降りるというから、また歩いて帰るのか?と聞いたら、いやそこはバスでと。せっかくなら枝折峠くらい歩いて越えたらどうかな。ワシらには今いち意味不明の行動

巻倉山への鞍部へと下る。その後もっぱらワシらの話題はたかだか2泊でテント泊でもない青年の巨大ザックの中身はいったい何かということ

11:20快適なテント場に「陽の水」と看板あり。100mほど下った沢に真夏でも涸れずに冷たい水が湧き出る。ここで一泊して縦走するのが普通のパターン。新井先生、待望の水を補給し11:33出発

命の水

標準コースタイム
水場-0:20→巻倉山-1:50→兎岳-2:00→十字峡分岐-0:25→中ノ岳
小計4時間35分
銀山平から13時間55分

中ノ岳-5:10→十字峡
銀山平からの総コースタイム19時間5分

巻倉山へは100mもないわずかな登り

振り返ると源蔵山が立派に居座る

10分で11:43巻倉山1758m

次の兎岳が大きくかまえる

平ガ岳と奧には燧ヶ岳

兎岳への稜線も大紅葉

12:12下ってから300m弱登るがダラダラだ。ペースを落とさず行ける。登るにつれガスってきた

もはや一足では行けないほどに遠くなった荒沢岳

兎への登りも終盤。年配の男女登山者を追い越す。なんと今朝4時に十字峡から上がって灰ノ又山まで往復して帰るんだそうだ。またもやほとんど意味不明

12:31稜線に到達

12:33兎岳1926m。数名の登山者と話をする。こっから中ノ岳へは厳しいですよ〜と何度も言われる。丹後山から下りようという悪魔の誘惑というか新井大権現のお告げも無視してワシは中ノ岳へ向かうと宣言。意味不明の人たちだなあ、と思われたことだろう

言われるまでもなく兎から中ノ岳間の悪路は三人とも経験済み。だからといって楽なわけでなく、生い茂る笹をかきわけてフラットではない道を探り探り下っていく。おかげで思いっきり泥沼に嵌ってしまいやはり丹後山から降りればよかったかなあと後悔も。しかしこの試練こそ山に登る意味があるのだと無理矢理テンションを上げていく

特に小兎からのひどい笹藪をおえると、今度はさらに気を遣う落ちたら奈落の草付きトラバース道がつづく。13:18

1720mまで降りたら最後に中ノ岳へ一気登り300m。ガスっていて見当がつかないまま闇雲に笹藪をかきわけ登る。以前だったらきっと足がつって無理だったかもしれなかった急登だが、今回は全然疲れもなくつらくない。1936m手前、いよいよ頂上稜線に近づいた気がする13:57

小兎岳の上から中ノ岳(2008年10月撮影) 荒沢以降でルート中最大試練の急登

岩場をトラバース。もはや最後のお気楽場面であるのに不安定な道に気が抜けない

14:09十字峡分岐に到着。5分間休憩

山頂へ向かおう

そして14:24、銀山平から8時間で中ノ岳山頂へ到達。今回は越後三山の数倍、気持ちも体力も楽な快適縦走だった

最後中ノ岳まで頑張った褒美か、少し晴れてきた

しかし十字峡への下山路も延々と

14:35下山開始

おお!荒沢岳がお別れの挨拶だ

七合目まで急下降。オカメノゾキも見える

六〜五合目は草原の平坦部分となり、若干の登りがあってきつい。16:00四合目付近。三国川ダムも見えるがゴールはまだまだ遠い

急下降の連続だけでなく岩場、木の根っこ、滑りやすい石も多くとにかく大変な下山路。16:15やっと2合目へ。曇っていてこんな時間なのに暑くてしかたない。1合目を過ぎてから思い切り滑って転んでしまうし、日本三大下りたくない道のひとつにしたい

16:43ようやくと十字峡着。お疲れ様でした
荒沢岳から兎岳(さらに丹後山まで)は最高の縦走路。急登もなく広くて歩きやすく、まったくアドレナリン放出のおこらない道だ。春早い時季は荒沢の鎖が外れているはずだし夏はかなり暑いから、やはり紅葉がベストというかそれしかないだろう。丹後を経由して灰ノ又まで往復というのも確かにありだな、と意味不明だった行動の意味がひとつわかった。それにしても中ノ岳から十字峡は険しい下山路。ここを下山するなら八海山まで行ってゴンドラで降りた方がマシとか言い出す始末。まあしょうがないね越後の山だもの。しかしおかげで今年は大満喫大満足できました。
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